【東京 6日 AFP】8日に中国・北京で再開される北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議を前に、来日中の米主席代表クリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補(東アジア・太平洋担当)は6日、日本側首席代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長と外務省で会談、また、麻生太郎外相を表敬訪問した。

 ヒル次官補の表敬訪問を受けた麻生太郎外相は、次官補に「拉致問題を含み、日朝間で未解決の問題に、北朝鮮が誠意を持って行動しない間は、日本が引き受けられる協力には限界がある」と明言した。

 また、佐々江局長もヒル次官補との会談後、「拉致問題の進展が、6か国協議全体のプロセスを前向きに進めていく上でも重要だ。その点は米国も十分に理解している」と述べ、日本人拉致問題について再度、6か国協議の中で議題として提示していく方針を示した。

 日米首席の会談前、麻生太郎外相は「エネルギー、食糧、ならびに経済支援の各国負担が決定したとしても、即時支援を行う予定はない」と述べていた。

 この麻生氏の発言について報道陣に質問されたヒル次官補は、「日米が連携できることを望んでいる。6か国協議には2国間問題のみならず非核化に関するものまで、我々が取り組もうとしている多くの課題が非常に広範囲に提起されている」と答えた。

 写真は6日、外務省でヒル米国務次官補(右)を迎える麻生外相(左)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI