【ムババーネ/スワジランド 4日 AFP】包皮切除を行うとエイズへの感染率を大幅に下げられることが、ケニアのウガンダでの治験で実証された。

 スワジランドに滞在するオランダ人の泌尿器科専門医師で、スワジランド唯一のHIV専門家 Adam Groenevaldさんによると、包皮切除を受けたことでケニアで53%、ウガンダでは48%エイズ感染率が減少したという治験結果がでたという。この結果に、スワジランドも興味を示している。

  「反対論も存在するが、手術を求める勢いはもはや止まらない」とGroenevald医師は語る。

 首都ムババーネにある政府系病院に看護師として勤務する30歳のMoshoeshoe Makhubuさんは、エイズ感染を避けるためにはしっかりとした予防策を講じる必要があることは承知している。しかし、包皮切除をすることによってエイズへの感染率を劇的に下げられるということで、手術を受けることとなった。

 包茎切除がエイズ予防に有効らしいという情報が一気に国内に広がり、女性看護師が夫や息子を病院に連れてくるようになった。スワジランドの保健・社会保障省も世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の助言を受け次第、全国的な計画の実施を検討している。

 ユニセフ(UNICEF)によるとスワジランドの成人国民のエイズ・ウイルス感染率とエイズ発症率は、併せて世界最高の40%に迫る。
 
 写真は、9日、ムババーネの政府系病院で包皮切除手術を待つ男性。(c)AFP/MUJAHID SAFODIEN