【ローマ/イタリア 2日 AFP】サッカー、イタリア・セリエA・第22節、カターニア(Catania)とパレルモ(US Citta di Palermo)の試合で暴動が起こり警官1人が死亡したと、ANSA通信が伝えた。この事件を受けてイタリアサッカー連盟(Italian Football Federation:FIGC)は3日と4日に予定された全ての試合の中止を発表した。

 ANSA通信は、暴動は試合中と試合後に起こり38歳の警官が死亡しまた1人が重症を負ったと伝えている。死亡した警官は、観客が投げ入れた手製の爆弾が顔に当たったものとみられており、運ばれたガリバルディ病院(Garibaldi Hospital)で死亡が確認された。

 この件を受けてカターニアのPietro Lo Monacoディレクターは「病院に同行した警備員から、試合での暴動により警察官が亡くなったことを聞いた。人生の全てにおいてサッカーを愛しており、もはや私自身がこのスポーツを受け入れられない。事件が起きたことを受けてサッカー界から身を引く決意をした。これ以上はもう沢山だ。」とレポーターに語っている。

■暗い影が落とされたシチリア・ダービー

 シチリア・ダービーは治安の悪化の恐れから金曜日に前倒しで開催されたが、不安を鎮圧させることはできず、暴動により暗い影が落とされた。

 試合当日にパレルモサポーターは後半までスタジアムに入場することができず、スタジアムに入場できた後半5分には、マルコ・ブレッシアーノ(Mark Bresciano)からのパスを受けたアンドレア・カラッチョーロ(Andrea Caracciolo)がゴールを決めてパレルモが先制点を奪ったことも暴動が始まる原因とされ、またパルレモサポーターの座っているエリアに花火が投げ入れられ、それにパルレモサポーターが応戦し暴動となったと報じられている。暴動を抑えるため催涙ガスが使用されて両チームの選手はロッカールームに引き上げ、試合は30分間中断された。

 そして試合が再開された1分後にはファビオ・カゼルタ(Fabio Caserta)がゴールを決めカターニアが1-1の同点としたが、後半38分にはカターニアのハンドの抗議も虚しくダビド・ディ・ミケーレ(David Di Michele)が1-2となる逆転のゴールを決めパルレモがダービーを制した。

■パレルモサポーターの非を主張するカターニアの会長

 カターニアのアントニーノ・プルビレンティ(Antonino Pulvirenti)会長はこの事件に関して「明らかにこの事件はパルレモファンがスタジアムに入場してきたことが誘発されて起こったものである。それ以前は何も問題はなかった。しかし彼らが問題を起こし始めたんだ。催涙ガスが投げ入れられたのが象徴されるようにね。」とパレルモのサポーターに非があるとした。

■カターニアサポーターの非を主張するパレルモの監督

 パレルモのフランチェスコ・グイドリン(Francesco Guidolin)監督は「私たちは試合に勝利したが、この勝利を喜ぶことはできない。このようなサッカーは長く続かない。このような中に楽しみは何も無い」とカターニアのサポーターに責任があるとした。

 写真は、手を負傷した人を助ける医療スタッフ(右)。(c)AFP/MARCELLO PATERNOSTRO