【ガザ市/パレスチナ自治区 27日 AFP】パレスチナ自治政府の政権与党であるイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が26日、同自治政府のマフムード・アッバス(Mahmoud Abbas)議長率いるファタハ(Fatah)との党派間協議を一時凍結すると発表した。これは、両党派間の衝突により、24時間で11人が死亡していることを受けた措置。

 政府報道官は中止について「衝突そのものと、ハマス党員に対する犯罪への抗議の意思を示すもの」と語った。

 ファタハ側は中止の発表について「予想の範囲内」とした上で、「ハマスは統一政府の成立を望んでいない」と直ちに反論。ファタハの報道官は会見でハマスを「殺人者」と呼び、「交渉相手として不適切」と非難した。 
 
 協議中止の発端となった26日のガザ地区(Gaza Strip)における衝突では、ファタハ、ハマス両党派の支持者のほか、幼児や少年を含む9人が死亡。さらに同日、前日25日夜に発生した衝突で負傷したハマス支持者2人も死亡している。

 ガザ地区ではほかにも26日、ハマス政権のマフムード・ザハル(Mahmud al-Zahar)外相の自宅に対戦車砲が撃ち込まれる事件が発生。内務省のハマス関係者によると、事件当時、ザハル外相らは外出中でけが人はなかったが、建物は被害を受けたという。

 統一政府の樹立を目指すアッバス議長は21日、ハマスの最高指導者ハレド・メシャル(Khaled Meshaal)氏と亡命先のシリアで会談。これを受けて2日後の23日、ファタハ、ハマス両党派による協議が開始したばかりだった。 

 写真はガザ地区北部のジャバリア(Jabalia)で同日、政権奪取1周年を記念する集会に参加する人々と建物屋上に立つ警備員。(c)AFP/MAHMUD HAMS