【ウェリントン/ニュージーランド 26日 AFP】日本の捕鯨に反対している環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の活動家らは26日、捕鯨を阻止する実力行使を行うため、船でオークランド(Auckland)を出発し、南太平洋の漁場に向かった。

■懸念されるグリーンピースの行動の過激化

 グリーンピースは、Esperanza号で漁場に向かい、捕鯨船のまわりに小型のゴムボートを多数繰り出して捕鯨を邪魔する構えである。グリーンピースのチームリーダであるKarli Thomas氏は、その目的を「鯨の殺りくを阻止するとともに、日本の行為に対して関心を高めてもらうため」と語った。

 同氏はさらに、出航前夜のインタビューで、「われわれの行動は危険であるが、南太平洋の環境も危険な状態にある。行動に参加するメンバーは、危険を承知している」と語った。

 今回の捕鯨には、グリーンピースよりもさらに攻撃的な活動手法で知られる反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」からも同団体の所有船Farley Mowat号が参加する予定。同団体のポール・ワトソン(Paul Watson)代表は、今月初め、「捕鯨船に体当たりできるよう、船を改良した」と語っている。さらに今回は布陣を強化して、高速船Robert Hunter号とヘリコプター1機も投入。14か国から計70人のクルーが参加する予定だという。

 ニュージーランドのクリス・カーター(Chris Carter)環境保全相は前週、こうした事態が暴力に発展する可能性への危ぐを表明した。

■2006年の捕鯨シーズンも、日本はミンククジラ850頭などの捕獲を計画

 1986年、国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)は商業捕鯨モラトリアム(一時停止)を採択したが、日本はその後も「調査のため」と称して捕鯨を継続している。日本は捕獲した鯨が食卓にのぼっている事実を隠し立てもしていない。

 水産庁によると、2006年の捕鯨シーズン(12-3月)には、6隻の捕鯨船が南太平洋でミンククジラ850頭とナガスクジラ10頭を捕獲することになっている。

 ニュージーランドとオーストラリアの両政府は、国際捕鯨委員会の加盟国に対し、日本その他の捕鯨国による捕鯨再開の提案を拒否するよう率先して働きかけている。

写真は26日、オークランドを出航するグリーンピースのEsperanza号。(c)AFP