【モガデシィオ/ソマリア 10日 AFP】地元住民によると、米軍が10日、ソマリア南部で新たな空爆を行ったとみられる。一方、ソマリアの暫定政府はこの情報を否定、米国防総省はこの情報については未確認と発表した。

 米軍は「アルカイダの重要なメンバー」が存在するとして、8日と9日にキスマユ(Kismayo)港の北部一帯に空爆を行ったが、キスマユの住民らによるとBadadeおよびAfmadow周辺に10日、さらに攻撃が加えられた。ある住民は「無線連絡が取れた2つの町の長老らによると、前日までに米軍が空爆したのと同じ地域に、新たな空爆があった。朝方には爆撃機が上空を通過する音が聞こえたそうだ」と述べた。

 一方、ソマリアのモハムド・アブドラヒ・ジャマ・シーファー(Mohamud Abdullahi Jama Siffir)情報相は「南部ではイスラム反政府勢力に対抗して、暫定政府軍と共闘するエチオピア軍が過去数週間活動を続けているが、それ以外の作戦の動きは知らない。空からの作戦に限らず、地上作戦も展開されている」と語った。

 Abdirahim Dinari広報担当官は、住民らの発言はばかげていると一蹴、「そのニュースは偽物だ。新たな空爆があったという情報はない。どこからそういう話が出てきたのかも分からない」と述べた。

 米国防総省のChris Isleib広報官も、新たな空爆についての情報は得られていないと述べた。

 米国防総省は米軍が8日、AC-130戦闘機によって2つの村を空爆、翌9日にヘリコプターで同じ地域を再度攻撃したことを認めている。米軍によるソマリアへの軍事介入は1990年代初頭以来。同軍は攻撃の理由について、ソマリア国軍に追われたイスラム反政府組織の背後に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の存在があるためと説明している。

 写真は10日、首都モガディシオで会談を終えたソマリア暫定政府のアブドラヒ・ユスフ(Abdullahi Yusuf Ahmed)大統領(左)とハッサン元大統領。(C)AFP