【北京/中国 10日 AFP】中国国家環境保護総局の潘岳(Pan Yue)副局長は10日、中国が2006年のエネルギー消費や汚染物質排出の削減目標を達成できなかったことをウェブサイト上で明らかにした。

 潘副局長は「環境問題は中国経済や社会の発展における重大な障害となっている」と警鐘を鳴らしている。2006年は161件の深刻な環境汚染が発生したと述べつつ、詳細についてはコメントを控えているが、国内総生産(GDP)単位のエネルギー消費を4%、汚染物質排出を2%削減するという2006年の目標については、達成できなかったことを明らかにしている。

 潘副局長は、削減目標にどの程度届かなかったのかは明らかにしなかったが、政府が発表している2006年上半期の報告書では、GDP当たりのエネルギー消費も汚染物質排出も共に増加を示している。

 環境破壊の深刻化にともない、国家環境保護総局は2006年、重大な環境破壊を及ぼす可能性のある163件の開発計画の認可を中止、または延期した。これらの開発計画への投資総額は7700億元(約11兆7547億円)におよび、半数以上は鉄鋼や石炭火力発電所や石油化学工場など、エネルギーを大量消費する産業とされている。しかし、従来から国家環境保護総局よりも強大な権益を保持している他省により、開発計画が推進される可能性は否定できない。

 写真は9日、大気汚染の影響でかすむ北京の夕暮れ。(c)AFP/Frederic J. BROWN