【ニューヨーク/米国 9日 AFP】今月8日、アメリカのファッションデザイナーズ組合は、‘痩せすぎモデル問題’に対するガイドラインを策定すると発表した。

 アメリカファッションデザイナーズ協議会(CFDA)は、ニューヨークコレクション(New York Collection)に向けたモデルキャスティングが開始する前に、デザイナーやモデル事務所用のガイドラインを設定すると発表した。※2007/08年秋冬ニューヨークコレクションは2月2日から開催される予定だ。

 昨年9月頃から頻繁に取り上げられることとなった‘やせすぎモデル問題’。スペインのマドリード(Madrid)では、少女達に「細い=美しい」という誤った美意識を与えることを回避するために、体重が一定のBMI値(肥満度指数)に達しないモデルの登用を禁止した。

■特別委員会を発足、アナ・ウィンターも参加

 CFDAは、ガイドライン策定のために特別委員会を発足。委員会には、CFDAの新議長に選出されたダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane von Furstenberg)をはじめとし、栄養士、精神科医、トレーナー、PR会社代表といったメンバーが揃う。

 先週開催された会議には、US版ヴォーグ(VOGUE)誌編集長のアナ・ウィンター(Anna Wintour)や、有力モデル事務所DNAの代理人も出席した。

■本格的な社会問題に発展

 11月にブラジル人モデル、アナ・カロリナ・レストン(Ana Carolina Reston)さんが拒食症で死亡したことによって、‘やせすぎモデル問題’は更に加熱。ブラジルで開催されるサンパウロ・ファッションウィーク(Sao Paolo Fashion Week)期間中には、コレクションと同時に大衆向けの「やせすぎ対策キャンペーン」が開催された。

 イタリアでは、昨年12月に健康とされるBMI値18を下回るモデルのキャットウォークを禁止するとの規定が発表された。ちなみに、肥満度指数18とは身長175cmで体重55kg程度。

 CFDAの前議長スタン・ハーマン(Stan Herman)は、昨年‘やせすぎモデル問題’についてAFPの記者に「今回の規制は、‘太りすぎ’を禁止するのと同様のことではないのでしょうか。今回ターゲットにされたモデルたちが訴訟を起こす可能性もあり得ます。この問題については一切関与したくないですね」とコメントしていた。 写真は1999年10月6日、フランス・パリにて撮影。(c)AFP/THOMAS COEX