【9月23日 AFP】ケニアの首都ナイロビ(Nairobi)市内の高級ショッピングモールをイスラム過激派集団が襲撃し、人質を取って立てこもった事件で、ケニア軍は22日夜、人質の大半が救出され、施設内の大部分の安全が確保されたと発表した。21日に発生したこの襲撃事件では、当局によると少なくとも68人が死亡し、約200人が負傷しているが、警察筋によるとモール内には多数の遺体が残されており、死者数は今後、大幅に増える恐れがある。

 ケニア国防軍はマイクロブログのツイッター(Twitter)に、「われわれの懸念事項は、人質全員を生きて救出することだ。だから作戦は細心の注意を要する」と投稿した。「この事態を速やかに収束させるために、あらゆる努力をしている」

 事件では、ソマリアを拠点とする国際テロ組織アルカイダ(Al Qaeda)系イスラム過激派組織「アルシャバーブ(Shebab)」の武装集団が21日の白昼に「ウエストゲート(Westgate)」モールを襲撃。軍によると、直近の銃撃戦では兵士4人が負傷した。

 アルシャバーブ側は襲撃の動機について、ケニア軍によるソマリア介入への報復と説明している。ソマリアでは、アフリカ連合(African Union)の部隊と同組織との戦闘が続いている。

 襲撃事件の犠牲者には外国人も多数含まれる。各国の当局や報道によると、これまでに死亡が確認された外国人は、英国人3人、カナダ人2人(うち1人は外交官)、中国人1人、フランス人2人、ガーナ人1人(詩人で政治家のコフィー・アウーノー(Kofi Awoonor)氏)、インド人2人(うち1人は8歳児)、オランダ人1人、オーストラリア人1人(死亡したオランダ人の夫)、ペルー人1人、南アフリカ人1人、韓国人1人。さらに、米国務省によると5人の米国人が負傷した他、多数の国が自国民の負傷を発表している。(c)AFP