【9月22日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)で21日、イスラム教シーア(Shiite)派の葬儀を狙った爆発があり、少なくとも57人が死亡、120人以上が負傷した。

 午後5時30分(日本時間同日午後11時30分)ごろ、バグダッド北部のシーア派居住地区サドルシティー(Sadr City)の葬儀用のテント近くの2か所で爆発があった。当局者によると1か所で自爆犯が爆発物を積んだ車両を爆発させ、もう1か所は車の下に置かれた爆発物が爆発したか、爆発物を積んだ車が爆発したかのいずれかだという。

 イラク当局は武装勢力を取り締まったりバグダッドに新車両規制を導入したりしているが、治安は安定していない。一部に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)とのつながりがあるイスラム教スンニ(Sunni)派の武装勢力は、イラクで多数を占めるシーア派を「背教者」とみなしてしばしば攻撃の対象にしている。

 ウサマ・ナジャフィ(Osama al-Nujaifi)連邦議会議長(スンニ派)は「この恐ろしい犯罪の加害者らは、宗派間闘争と治安の不安定化を助長しようとしている」との声明を発表した。

 一方、イラク北部のバイジ(Baiji)では同日朝、警察特殊部隊(SWAT)の制服を着た自爆犯5人が警察署を襲撃し、警官4人が死亡した。襲撃当時、警官のほとんどは任務で警察署から離れていた。自爆犯のうち1人は警官に殺害された。

 同日は北部ニナワ(Nineveh)州で刑務所の警備員2人、兵士1人、知事の護衛1人が殺害されたほか、路肩爆弾で兵士2人が死亡した。またキルクーク(Kirkuk)州でも地元当局者1人が誘拐されて殺害され、この日のイラクではバグダッド以外の襲撃事件で合計12人が死亡した。(c)AFP/W.G. Dunlop