【9月3日 AFP】アフガニスタン東部のパキスタン国境に接するナンガハル(Nangarhar)州の米軍基地で2日、アフガニスタンの警察を装った旧支配勢力タリバン(Taliban)による爆弾攻撃があり、付近にとめられていた北大西洋条約機構(NATO)軍向けの物資供給車両数十台が爆破された。当局が明らかにした。

 3人の実行犯は全員、武装ヘリコプターから射殺された。米国主導のNATO軍に死者はなかった。攻撃を受けたのは、パキスタン北西部のトルカム(Torkham)との国境検問所に近接する米軍基地。トルカムは、内陸のアフガニスタンから最も近い港であるパキスタンのカラチ(Karachi)から物資を供給する、NATOの主要な輸送ルート上にある。

 同州の報道官は記者会見で、「当局の捜査によると、この攻撃で米軍所有の物資供給用のトラックや車両41台ほどが破壊された」と伝えた。「磁石式爆弾が複数の車両に取り付けられ、起爆された」という。また、「武装した3人を米軍の武装ヘリが射殺、後に武器と自爆用のベスト、手りゅう弾が見つかった」ことも明らかにした。AFPのカメラマンも、アフガニスタンの警察の制服を着用した実行犯3人の遺体を確認している。

 NATO軍はアフガニスタンからの段階的な撤退を進めており、来年4月の大統領選挙を経て同年末までには任務を終了する予定。同軍とアフガニスタン政府に対し12年にわたり攻撃を続けてきているタリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官が、メディア向けに犯行声明を出している。タリバンはここ数日間に同国各地で自爆や待ち伏せ、ロケットによる攻撃を繰り返して多数の死者を出しており、欧米諸国からの救援活動隊員5人も殺害されている。(c)AFP