【8月26日 AFP】シリア政府の化学兵器使用疑惑をめぐり25日、米政府が軍事介入の準備があるとしたのに対しイランは米国による介入は「厳しい結果」を招くと警告し、米国とイランの間で舌戦が繰り広げられた。

 シリアの反体制派は、政府軍が21日に首都ダマスカス(Damascus)の東と南西に位置する地域で化学兵器を使用し、1300人以上が犠牲になったと発表した。その後、緊急医療援助団体「国境なき医師団(Medecins Sans FrontieresMSF)」は「神経毒性の症状」で355人が死亡したと発表した。

 米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は1年前、シリア政府による化学兵器の使用は「レッドライン(越えてはならない一線)」だとして、越えた場合は欧米による軍事介入もあり得ると述べていた。

 イラン軍統合参謀本部のマスード・ジャザーイェリー(Massoud Jazayeri)副議長は25日、「もし米国がこのレッドラインを越えれば、米政府にとって厳しい結果を招くだろう」と語った。

 ジャザーイェリー副議長のコメントは、オバマ大統領が24日に側近たちと予定外の会議を開き、また英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相とシリア問題について電話会談を行ったことを受けてのもの。英首相官邸によれば、両首脳は化学兵器の使用は「重大な対応に値する」ことで一致したという。

 25日にはチャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官が、米軍はシリアに対し「どのような選択肢でも実施する準備ができている」が、まだ情報を分析中だと語った。(c)AFP