【8月21日 AFP】(一部更新、写真追加)シリア・ダマスカス(Damascus)近郊で21日、政府軍による攻撃で100人以上の死傷者が出たとNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が発表した。反体制派は、政府軍が化学兵器を使用したと主張しているが、政府側はこれを否定している。

 シリアでは、内戦での化学兵器使用について、国連(UN)の調査団が20日に調査を開始したばかりだった。

 シリア人権監視団は声明を発表し、「政府軍は…ダマスカス近郊の東グータ(Eastern Ghouta)地区と西グータ(Western Ghouta)地区で、航空機とロケット砲などを使った軍事作戦を強化しており、100人以上の死傷者が出ている」と述べた。一方、反体制派の統一組織「シリア国民連合(Syrian National Coalition)」は、政府軍が使用した化学兵器により650人が死亡したと主張している。

 一方、反体制派グループのネットワーク「地域調整委員会(Local Coordination CommitteesLCC)」も同日、「西グータ地区で政府軍が使用した毒ガスにより数百人の死傷者が出ている」と伝えている。また、別の反体制派グループ「シリア革命総合委員会(Syrian Revolution General CommissionSRGC)」も動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)に動画を投稿し、政府軍によるものと主張する毒ガス攻撃で数十人が負傷したと述べた。LCCが出した英語の声明によると、東グータ地区では、化学兵器の使用に続いて、航空機からの攻撃が続いており、犠牲者が多数出ているという。

 一連の反体制派グループによる化学兵器使用の非難を受け、政府側は国営のシリア・アラブ通信(SANA)を通じて即座にこれを否定した。

 18日にダマスカス入りした国連の調査団は、20日から調査を開始した。14日間の調査期間中、北部アレッポ(Aleppo)に近いハンアサル(Khan al-Assal)を含む3か所で調査する予定となっている。(c)AFP