【8月15日 AFP】エジプトの治安部隊は14日、軍に解任されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領支持派の首都カイロ(Cairo)での座り込み拠点2か所に突入、当局によるとエジプト全土で280人近くが死亡した。

 当局によると、警官43人を含む278人が死亡した。その多くはカイロで命を落としたが、暴動は首都から全土に広がった。

 暫定政府は14日、全土に現地時間午後4時(日本時間同日午後11時)から1か月間の非常事態を宣言した。また、カイロの他13県で、午後7時から翌朝6時までの外出禁止令が出された。

 治安当局者は座り込みに対し、数日間にわたり段階的に排除するとしていたが、14日早朝に起きた広場での突然の襲撃は、多くの人にとって驚きの出来事だった。

■エルバラダイ暫定副大統領が辞意

 事態を受け、モハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)暫定副大統領が辞意を表明した。AFPが入手したエルバラダイ暫定副大統領の辞表には、「特に避けることのできた」人命が失われたことに良心がとがめると書かれていた。

 欧州主要国とイラン、カタール、トルコは暫定政府による武力行使を強く非難。米国政府もデモに対する暴力を「強く非難」し、非常事態の強制に反対した。(c)AFP/Samer al-Atrush, Jailan ZAYAN