【8月12日 AFP】エジプトの首都カイロ(Cairo)で11日、軍により解任されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領の復帰を求める人々が、抗議集会を行った。一方の当局は、警察によるモルシ派座り込みデモの「段階的な排除」を間もなく実施すると述べている。

 モルシ氏の出身母体であるイスラム主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」が率いるモルシ支持派は、カイロ市内2か所に大規模な座り込み拠点を設営している他、全国各地で定期的な抗議活動も行っている。

 スンニ派イスラム教の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)の最高幹部アフマド・ アル・タイーブ(Ahmed al Tayyeb)師は、双方に和解会談を呼びかけたが、ムスリム同胞団は軍部側につく同師の呼びかけには応じない可能性が高い。

 治安当局高官はAFPの取材に対し、警察によるカイロのモルシ派座り込みの排除は「段階的」に行い、警察の介入前に「数回の警告」が出されると語った。

「一連の措置が段階的に行われる。それぞれの措置について、通告がある」と、ある内務省高官は述べた。 別の治安当局高官によると、取り締まりではまず、デモ隊を「取り囲み」、外部からの座り込み参加を不可能にした上で、数回の退去警告を発する。「これは2~3日かけて行われる」という。

 匿名を条件に取材に応じた両高官はいずれも「最終決定はなされていない」と述べ、包囲作戦の開始時期には言明しなかったが、暫定政府側は、イスラム教のラマダン(断食月)明けの祝祭「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」が終わる11日以降に、座り込み拠点を撤去すると繰り返し警告してきた。だが、モルシ派は前大統領の復帰以外に、デモの解散はないとして、強硬姿勢を貫いている。(c)AFP