【7月22日 AFP】(一部更新)イラクの首都バグダッド(Baghdad)近郊にある2つの刑務所が21日夜、武装集団に相次いで襲撃され、当局によると治安部隊隊員少なくとも12人が死亡、40人が負傷した。また軍警察は、刑務所から500人~1000人の受刑者が逃走したとしている。武装集団側の死者、負傷者については分かっていない。

 内務省の声明によると、襲撃を受けたのはバグダッド北方のタージ(Taji)と、同西方アブグレイブ(Abu Ghraib)にある刑務所。襲撃したのは正体不明の武装集団で、バグダッド管轄の治安部隊が空軍の支援を得て撃退したという。

 当局関係者の話によると、治安部隊と武装集団の衝突は10時間ほど続き、タージの刑務所では治安部隊側の少なくとも5人が死亡、アブグレイブでは同7人が死亡した。また、アブグレイブからは受刑者7人が脱走したという。

 軍警察によると、この襲撃事件で多数の受刑者が逃走したという。アブグレイブから約500人が脱走したとする情報や、2か所で計500人~1000人ほどが脱走したなど情報は錯そうしている。

 また、マイクロブログのツイッター(Twitter)にも、両刑務所への襲撃で受刑者数千人が逃亡したとの書き込みが複数投稿された。投稿のあったアカウントの一部は、イスラム原理主義組織によって運用されているものとみられる。

 またAFP特派員によると、バグダッド西方ファルージャ(Fallujah)では住民たちが、刑務所から脱走した親類が安全な潜伏場所を探していると話しているという。

 昨年7月に、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム武装組織「イラク聖戦アルカイダ組織(Al-Qaeda in Iraq)」の指導者アブ・バクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)氏が、イラクの司法制度を攻撃し、「イラク全土でイスラム教徒の受刑者を解放し、判事、捜査官、警備員らを排除する」と予告する動画メッセージを発表していた。(c)AFP