【7月22日 AFP】イラクは21日、武装集団による攻撃が相次ぎ、合わせて18人が死亡した。前日の20日には、首都バグダッド(Baghdad)とその南郊で起きた複数の爆弾の爆発や襲撃事件などで67人が死亡したばかりだった。

 21日に最も犠牲者が多かったのは北部キルクーク(Kirkuk)のザブ(Zab)地域の検問所での攻撃。イラクのクルド人自治区の民兵組織ペシュメルガ(Peshmerga)のアラブ人部隊の5人が武装グループに殺害された。ペシュメルガの構成員は大多数がクルド人だ。

 バグダッド北のシャルカト(Sharqat)地域では、川で泳いでいた兵士1人、5歳の子ども、他2人が武装グループに殺害された。

 イラク北部の都市モスル(Mosul)では銃を持った男たちが検問所にいた警察官2人を殺害。一方、バグダッド北郊のタージ(Taji)の陸軍基地近くでは、道路脇に仕掛けられた爆弾2個が爆発して3人が死亡、少なくとも10人が負傷した。

 またバグダッドの北にある町ワジヒヤ(Al-Wajihiyah)では道路脇の爆弾の爆発で警官2人が死亡、2人が負傷。バグダッド南東のベスマヤ(Besmayah)では住宅の庭で爆弾が爆発し、その家の2人が死亡、4人が負傷した。

 イラクの一般市民は流血の攻撃を阻止できない政府当局を厳しく批判している。バグダッド中心部で起きた爆弾事件の現場近くにいたある男性は、「ここの政府は漫画みたいな政府で、治安部隊は国民どころか自分たちさえ守れない」 と話した。

 AFPが治安当局と医療関係者からの情報をまとめたところによると、イラクでは今年に入ってから2800人以上、今月だけでも540人以上が武装集団の攻撃などで死亡している。月末まで残り10日もあるが、7月はすでに今年に入り2番目に死者数が多い月となっている。(c)AFP/Ahmed al-Rubaye