【6月30日 AFP】26日と28日にウイグル人と警官隊との衝突が起きた新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uygur Autonomous Region)で、中国政府は29日、大規模な軍事演習を行った。26日の衝突では少なくとも35人が死亡しており、当局はこれを「テロ攻撃」だとして非難している。

 演習は29日午後から約5時間の予定で、法執行と平時の治安維持にあたっている人民武装警察部隊(People's Armed Police)が少なくとも1000人規模で実施した。現地で取材しているAFP記者によると、戦車、軍用車両、武装した兵士らが、新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ(Urumqi)市内への通行を止めたため、市中心部のほとんどの機能がまひしたという。

 今回の軍事演習は、2009年7月5日にウルムチで約200人の死者を出した、イスラム教徒が多数を占める少数派のウイグル族と多数派の漢族との衝突から4年目になるのを前に行われた。匿名を条件に取材に応じた地元の女性は軍事演習について、「当然じゃない? テロ攻撃があったばかりだもの」と話した。地元住民によると、これほどの規模の軍事演習は非常にまれだという。(c)AFP