【5月16日 AFP】パレスチナの人々は15日、イスラエル建国に伴ってパレスチナ人およそ76万人が難民と化した「ナクバ(Nakba)」の日を迎え、ヨルダン川西岸(West Bank)やガザ地区(Gaza City)、東エルサレム(Jerusalem)などで大規模なデモが行われた。
 
 アラビア語で「大災厄」を意味するナクバは、イスラエル建国翌日の1948年5月15日に76万人を超えるパレスチナ人が住む土地を追われたことを指す。数千人のデモ隊はパレスチナの旗と、イスラエル建国以前に先祖が住んでいた家の玄関の鍵を象徴するプラカードなどを掲げ、父祖の地に戻る権利を訴えた。

 ヨルダン川西岸では、投石するパレスチナ人たちのデモ隊にイスラエル軍がゴム弾を発射し、15人が負傷した。東エルサレムでも警官隊が、投石するパレスチナ人らにスタングレネード(殺傷力のない手投げ弾)や放水などで応酬。15日夜までに衝突は収まったが、パレスチナ人27人がイスラエル当局に身柄を拘束された。

 ナクバ後も約1万6000人のパレスチナ人はイスラエルにとどまり、アラブ系イスラエル人となった。イスラエル国内に居住するパレスチナ人は現在、総人口の20%を占めるまでに増えている。(c)AFP