【5月10日 AFP】中東イエメンで昨年12月に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の戦闘員に拉致されていたオーストリア人とフィンランド人夫婦の計3人が8日、オマーンとの国境地域で無事保護された。イエメン当局が9日、明らかにした。

 保護されたフィンランド人夫婦とオーストリア人学生のドミニク・ノイバウアー(Dominik Neubauer)さん(26)は、オーストリア・ウィーン(Vienna)の軍病院に収容されたという。

 3人は昨年12月21日、イエメンの首都サヌア(Sanaa)で銃で武装したアルカイダの戦闘員らに拉致され、その後はイエメン国内での移動を繰り返していたとみられている。

 イエメンの当局者によると、3人はオマーンとの国境にあるハウフ(Hawf)で8日深夜、地元部族によって救出された。地元住民たちがアルカイダ戦闘員らを拘束し、人質となっていた3人をオマーン当局に引き渡したという。拉致犯らは身代金として5000万ドル(約51万円)を要求していたとされる。

 同国での外国人拉致事件は、地元の有力部族が中央政府との交渉カードを目的として実行するケースが多く、これまでに起きた事件の人質のほぼ全員が無事に解放されている。だが、昨年3月28日にアデン(Aden)でアルカイダ系武装勢力に拉致されたサウジアラビアの外交官アブドゥラ・ハーリーディ(Abdullah al-Khalidi)氏は、いまだに捕われたままだ。(c)AFP