【5月5日 AFP】メディアが米当局者の話として伝えたところによると、イスラエルの軍用機が2日深夜から3日未明にかけて、シリアへの空爆を行った。また、外交筋が4日に明らかにした話として、この攻撃はシリアの首都ダマスカス(Damascus)の空港に保管されていたミサイルを標的にしたものだと報じられている。

 米CNNテレビは、米国と欧州の情報機関は現在、イスラエルが2日深夜から空爆を実施したという情報を検証していると伝えた。また、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領はスペイン語放送のテレムンド(Telemundo)テレビで、「イスラエル人は、最新鋭の武器がヒズボラ(Hezbollah)のようなテロ組織に渡ることを当然阻止しなければならない」と話したが、今回の攻撃に関する直接的なコメントは避けた。

 レバノン軍によると、数ペアのイスラエルの航空機が2日夜、3回にわたってレバノン上空に進入し、1回につき2~3時間領空にとどまったという。

 米NBCテレビが米政府当局者の話として伝えたところによると、攻撃の標的はヒズボラに渡る可能性のある武器の積荷と見られる。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領政権と密接な関係にある。

 シリア軍筋は空爆を受けたことを否定している。イスラエルの国防当局は「シリアやレバノンの状況、特に化学兵器や特殊な武器の輸送状況を注意深く見守っているだけだ」という姿勢をとるとみられる。一方、レバノンの外交筋はAFPに対し、今回の作戦は、最近ロシアからシリアに運び込まれ、ダマスカス空港に保管されていた地対空ミサイルを破壊することだったと話している。

 今回の攻撃が確認されれば、イスラエル軍が1月にヒズボラに渡る可能性のある武器に向けて行った攻撃に続き、今年2回目のシリア軍への攻撃となる。

 また、国営シリア・アラブ通信(SANA)は3日、反体制派が同日未明にロケット弾2発を空港に向けて発射し、航空燃料タンクを破壊したと伝えている。(c)AFP