【4月12日 AFP】シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)の11日の発表によると、シリア南部ダルアー(Daraa)県で10日、政府軍が2つの町を総攻撃し、少なくとも57人が死亡した。犠牲者の内訳は子ども6人、女性7人、反体制派戦闘員16人、身元が特定できない男性16人、および政府軍兵士12人で、戦闘や砲撃、処刑によって死亡したとされている。

 同監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表がAFPに語ったところによると、攻撃前日の9日、ダルアーの政府軍施設に駐屯していた12部隊ほどが反体制派に加わるため離脱し、これら2つの町がある地域に潜伏した。政府軍は翌日に攻撃を開始し、数軒の民家を砲撃した。

 同監視団の統計によると、シリア国内で10日に発生した戦闘などによる死者数は少なくとも179人で、うち50人が市民、86人が反体制派戦闘員、43人が政府軍兵士だった。

 また同監視団によると、11日にはシリア北西部イドリブ(Idlib)県にあるワディ・デイフ(Wadi Deif)軍事基地に物資を輸送していたヘリコプターを反体制派が撃墜し、軍関係者少なくとも4人が死亡した。反体制派はここ数か月にわたり同軍事基地への包囲攻撃を繰り返しており、駐屯部隊への物資の輸送は空路のみで行われている。(c)AFP