【3月25日 AFP】アフガニスタンの首都カブール(Kabul)北部にあるバグラム空軍基地(Bagram Air Base)に付属するテロ容疑者収容所の管理権が25日、米軍からアフガニスタン軍に全面移管された。10年以上に及ぶ紛争から米軍主導の国際治安支援部隊(ISAF)が段階的に撤退する中、米国とアフガニスタンとの間に生じていた亀裂を若干修復するものとなった。

 当初は9日に移管される予定だったが、直前にカルザイ大統領が「無実の」被収容者は解放すべきと主張したことから、移管は延期されていた。

 来年予定されている国際部隊の完全撤退を前に、重要事項に関する米国からの主権回復を強引にも進めたいアフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は、その一環として今回、同収容施設に関する決定を下している。

 米国は長きにわたり、アフガニスタンの脆弱で腐敗に侵されがちな治安部隊にバグラム収容所の全権を移管した場合、収容されている旧支配勢力タリバン(Taliban)や国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のテロ容疑者たちが再び戦場に戻ることを懸念していた。

 しかし米国防総省によれば、チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官は23日、カルザイ大統領との電話会談で移管に合意し、25日に式典が行われた。

 米国は9月、バグラムに収容されている3000人以上に関する管理権をアフガニスタン当局に移していたが、外国人50人と、2012年3月に最初の移管協定が調印されて以降拘束されたアフガニスタン人数百人の監視は米軍が続けていた。

 バグラム空軍基地の収容所の被収容者の中には、裁判を受けないまま、あるいは容疑を知らされないまま拘束されている者もおり、キューバのグアンタナモ湾(Guantanamo Bay)にあるグアンタナモ米海軍基地の収容所になぞらえ「アフガニスタンのグアンタナモ湾」と称されることもあった。(c)AFP/Sardar Ahmad