【3月16日 AFP】テロ対策や人権を担当するベン・エマーソン(Ben Emmerson)国連特別報告者は15日までに、米国によるタリバン(Taliban)やアルカイダ(Al-Qaeda)を狙った無人機攻撃は、パキスタン政府の同意が得られていないことから、「パキスタンの主権を侵害している」との見解を示した。

 エマーソン氏は、パキスタンで行われる無人機攻撃による民間人犠牲者の実態調査の一環として今週、同国イスラマバード(Islamabad)を訪問。今回の見解は、訪問後に発表された声明の中で明らかとなった。

 エマーソン氏は今年1月、無人機攻撃が拡大されるなかで、新たな法的枠組みが必要であると発表。現在、無人機攻撃により過度の民間人犠牲者が出ているかどうかの調査を行っている。パキスタンに加え、アフガニスタン、パレスチナ地域、ソマリア、イエメンでの攻撃も調査し、10月に報告書を提出する予定だ。

 英国の非営利団体「調査報道局(Bureau of Investigative JournalismBIJ)」によると、米中央情報局(CIA)が2004年以降にパキスタンで行った無人機攻撃により、これまでに最大で3577人が死亡、うち最大884人が民間人、197人は子どもの犠牲者だった。(c)AFP