【3月5日 AFP】イラク西部アンバル(Anbar)州で4日、治療のためにイラクを訪れていたシリア政府軍兵士らがシリアの武装グループに襲撃され、イラク人9人を含む57人が死亡した。

 イラク国防省は、襲撃は「シリアからイラク領土内に侵入したテロリストグループによるもの」でシリア政府軍兵士ら48人とイラク軍の警備要員9人が死亡したとの声明をウェブサイト上で発表した。

 イラク国防省の発表によると、シリアでの戦闘で負傷した兵士らは、イラクで治療を終え、「公式ルート」を通じて再びシリアに移送される途中だった。兵士らは武装していなかった。

 国防省はまた、「イラクの主権、領土、尊厳に対する攻撃であり、負傷した非武装の兵士を襲うことは明らかな人権侵害だ」と襲撃を非難。シリア政府、反政府の双方に対し、国内の衝突を国境を越えてイラク領土内に持ち込まないよう警告した。

 アンバル州のイスラム教スンニ派は、国境を接するシリア東部と貿易などを通じてつながりが深く民族的にも近い。このため、シリア政府軍と対抗するスンニ派のシリア武装勢力にも同情的だ。(c)AFP/Azhar Shallal