【3月3日 AFP】チャド政府は2日、マリ北部に展開する同国軍が、1月にアルジェリアの天然ガス関連施設で38人が死亡する人質事件を起こしたイスラム武装勢力のモフタール・ベルモフタール(Mokhtar Belmokhtar)司令官(40)を殺害したと発表した。

 マリ北部で国際テロ組織アルカイダ(Al Qaeda)系の武装勢力の掃討作戦にあたっているチャド軍によると、マリ北部のイフォガス(Ifoghas)の山岳地帯での作戦中にベルモフタール司令官を殺害したという。

 前日の1日にはチャドのイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)大統領が、マリで活動する「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」のアブ・ザイド(Abou Zeid)最高司令官(46)が数日前に死亡したとみられると明らかにしていた。モーリタニアの報道機関は、アブ・ザイド司令官はフランスの空爆によって殺害されたと報じた。

 死亡が確認されれば、マリ北部におけるフランス主導の軍事作戦によって、サハラ砂漠の南部一帯でアルカイダ系武装組織を率いてきた幹部2人が排除されたことになる。

 しかし、フランスの大学教授でアルカイダに詳しいマテュー・ギデール(Matthieu Guidere)氏は、これまでイスラム過激派は仲間の死を隠そうとせず直ちに発表してきたと指摘しながら、現時点においてインターネットフォーラム上にザイド司令官らが死亡したという書き込みが見られないことから、本当に死亡したのか注意すべきだと述べた。(c)AFP