【2月2日 AFP】エジプトの首都カイロ(Cairo)で1日、暴徒化したデモ隊の一部が大統領府に火炎瓶などを投げ警官隊と衝突、医療当局によると1人が死亡、53人が負傷した。

 大統領府の壁越しに火炎瓶や石を投げ込んだデモ隊は、その後駆けつけた警官隊と衝突。警官隊は催涙ガスを使用した。

 交流サイト「フェイスブック(Facebook)」のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領のページに投稿された声明によると、デモ隊は大統領府の門の破壊を試み、壁によじ登るなどして暴力行為に及んだ。

 この数か月間にわたり政治的危機に直面しているモルシ政権は、暴力的な抗議行動には治安部隊が「断固たる」措置を取ると明言。野党が暴力行為を煽っていることが分かれば「政治的な責任」を追及するだろうと述べた。

 主要野党の連合体「国民救済戦線(National Salvation Front)」のモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)氏は暴力行為が始まる数時間前、マイクロブログのツイッター(Twitter)上で、「モルシ政権が人々の要求に耳を傾けない限り、暴力と混乱は続くだろう」と投稿していた。だがその後発表した声明で、国民救済戦線はデモ隊に「最大限の自制を」と呼びかけ、大統領府前での暴力行為から距離を置いた。(c)AFP