【10月22日 AFP】シリア問題をめぐる国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)合同特別代表は21日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領と会談した。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)によると会談の中でアサド大統領は「外国からの干渉を排除することを基礎として、シリア危機の平和的な解決を目指すあらゆる真摯(しんし)な努力に応じる用意がある」と述べた。

 会談後の記者会見でブラヒミ氏は、激しい戦闘を繰り広げているシリア政府と反体制派の全勢力に、イスラム教徒が聖地メッカ(Mecca)に巡礼する大巡礼「ハッジ(Hajj)」の最後を飾る犠牲祭「イード・アル・アドハ(Eid al-Adha)」が26日に始まることに合わせて停戦を呼びかけた。

 ブラヒミ氏によると、同氏が接触したシリア内外の野党指導者やシリア国内の武装勢力は停戦に強く賛同していたという。ブラヒミ氏は21日、ロシアと中国の大使とも会談した。

■ダマスカスのキリスト教徒地区で爆発、13人死亡

 一方、シリアの首都ダマスカス(Damascus)の旧市街にあるキリスト教徒居住地区の警察署付近で21日、爆弾が爆発した。シリア・アラブ通信はこの爆発は反体制派によるもので、13人が死亡したと報じた。

 1年7か月前の2011年3月にシリアで反体制蜂起が起きてからキリスト教徒の居住地区でこの種の攻撃があったのは初めて。住民の1人は「爆発はとても強く、1キロ以上離れた私の家も揺れた」と語った。

 キリスト教徒はイスラム教スンニ派が人口の大半を占めるシリアにあっては少数派で、その多くは反体制蜂起がイスラム教徒によるキリスト教徒への攻撃につながることを恐れて体制側についている。(c)AFP