【10月16日 AFP】パキスタンでイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」に頭を撃たれ、重傷を負ったマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さん(14)が15日、専門医による長期治療のため英国へ搬送された。パキスタン軍が明らかにした。

 女性の教育権を訴えていたマララさんは9日、かつてタリバンの活動拠点だったスワト(Swat)地方でスクールバスに乗っていたところ銃撃を受けた。マララさんは北西部ペシャワル(Peshawar)の陸軍病院に空路搬送されて治療を受けた後、ラワルピンディ(Rawalpindi)にある同国最高の軍の病院へ移された。この病院の医師らは14日、マララさんの人口呼吸器を短時間、外すことに成功した。

 アラブ首長国連邦(UAE)が提供した救急輸送機は、夜明けとともにパキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)の空港を発った。パキスタン政府によると、集中治療専門医が同乗したという。安全性への懸念から、マララさんの搬送は輸送機が離陸するまで発表されなかった。 マララさんは英バーミンガム(Birmingham)のクイーン・エリザベス病院(Queen Elizabeth Hospital)で治療を受ける。

 銃撃事件をめぐり国際社会やパキスタン政府からは非難が相次いでいる。同国政府は治療費を負担するなどマララさんの確実な回復のためあらゆる手段を尽くす方針で、銃撃犯に10万ドル(約787万円)を超える懸賞金も懸けている。 (c)AFP/Nasir Jaffry