【6月17日 AFP】シリアに派遣されている国連(UN)の停戦監視団のロバート・ムード(Robert Mood)団長は16日、シリアでの暴力激化を受けて監視団の活動を一時中断したと発表した。シリア政府軍は、ホムス(Homs)など反体制派の各地の拠点を砲撃している。

 ムード少将は活動中断について、政府軍と反体制派の戦闘の激化や、300人から成る監視団への危険性に加え、交戦中の当事者に和平に向けて取り組む姿勢がみられないと説明。「ここ10日間、シリア全土で武器を用いた暴力が激化している」と指摘した。

 また、「暴力激化により、われわれの監視や確認、報告の能力のほか、国内の対話における支援や、安定化に向けた計画が制限されている」と述べ、監視団はパトロールを行わず、通知があるまで各拠点で待機すると説明した。

 国連が仲介した停戦案の履行を監視するため、4月半ばに非武装の監視団が配置されたが、停戦案の違反が繰り返され、監視団はほぼ連日、攻撃の標的にされている。米国のスーザン・ライス(Susan Rice)国連大使は、監視団を「射撃練習場の無防備な標的」と形容した。(c)AFP