【5月19日 AFP】シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、シリア各地で18日、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権打倒を求めるデモがあり、前年に反体制運動が始まって以来、最大規模のデモとなった同国第2の都市アレッポ(Aleppo)では政府軍がデモ隊に発砲、数人が負傷した。

 同人権監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPの取材に対し「鎮圧にもかかわらず、多くの人々が(アレッポの)複数の地域でデモを行った」と述べ「反体制運動が始まって以来、アレッポで最も重要な出来事だ」と語った。

 シリアには国連の停戦監視団が派遣されているにもかかわらず、アレッポでは17日、治安部隊が学生デモに激しい弾圧を加えた。18日のデモはこの学生デモに連帯を示し、アサド政権追放を掲げて呼び掛けられたもので、首都ダマスカス(Damascus)を始めとするシリア各地で行われた。

 シリア人権監視団の報告では、ダマスカス近郊の反体制派の主要拠点、ドゥーマ(Douma)でもデモ隊が銃撃を受けて負傷した。死傷者数は公表されていない。

 前週10日、ダマスカスで2台の車を使った爆弾テロがあり、55人が死亡、400人が負傷したが、政府は翌11日にアレッポで軍が自爆攻撃を阻止したと発表していた。政府はこうした攻撃は「テロリスト」の犯行だと繰り返し主張している。

 シリア反体制派の闘争には、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)が関与しているとの疑いが高まっている。国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長も18日、10日に起きたダマスカスでの爆弾攻撃にアルカイダが関与していたとの見解を示した。

 反体制派側はアルカイダとの関連を再三にわたり否定しているものの、統一がとれていない運動の中で一層、複雑な問題を抱える状況となっている。(c)AFP