【3月21日 AFP】ジェイ・カーニー(Jay Carney)米大統領報道官は20日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が、国民への激しい弾圧を続けながらiTunesで音楽を楽しんでいるとすれば「極めて不快だ」と述べた。

 カーニー報道官は、アサド大統領の私用メールから大統領夫妻のぜいたくな生活ぶりを暴露した、英紙ガーディアン(Guardian)の報道についてコメント。「自国民の殺りくを主導しながら、制裁を逃れてiTunesのアカウントを得ているなんて、残酷非道な人間の姿を象徴するようなものだ」と不快感をあらわにした。

 報道によると、同大統領は英人気デュオのライト・セッド・フレッド(Right Said Fred)、米カントリー歌手ブレイク・シェルトン(Blake Shelton)、英バンドのニュー・オーダー(New Order)、米エレクトロホップデュオのLMFAOの歌をダウンロードしたことが、iTunesとの通信から明らかになっている。

 アサド大統領は米国の制裁を回避するため、架空のメールアドレスを使って登録したと見られる。

 また、大統領がアスマ(Asma Assad)夫人と交わしたメールからは、夫人がインターネットでキャンドルやテーブル、シャンデリアなどを購入するのに何千ドルも費やしていることが明らかになったとも報じられた。

 欧州の各メディアは、欧州連合(EU)が資産凍結などの制裁を予定しているシリア政府関係者の候補に、アスマ夫人も加えられる可能性があるとみている。(c)AFP

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