【3月21日 AFP】アフガニスタン南部カンダハル(Kandahar)州で民家を次々と襲撃して16人を殺害した事件の容疑者、ロバート・ベールズ(Robert Bales)陸軍2等軍曹(38)は、事件当時の記憶がないと語っていると同容疑者の弁護人が19日、明らかにした。一方、米国防総省は数日内にもベールズ容疑者を訴追する方針を示している。

■事件が起きた時間の「記憶がない」

 ベールズ容疑者は11日未明、カンダハルの米軍基地を抜け出した後、民家に次々と侵入して銃を乱射。子ども9人を含む住民16人を殺害したとされ、複数の遺体を燃やした疑いも持たれている。同容疑者は、イラクに3回の派遣経験があるベテラン兵士。現在、ベールズ容疑者の身柄は米カンザス(Kansas)州フォートレブンワース(Fort Leavenworth)陸軍基地内の拘束施設に収容されている

 このほど、ベールズ容疑者と初めて面会した弁護人ジョン・ヘンリー・ブラウン(John Henry Browne)氏が、米CBSテレビに数時間にわたった面会の模様を語った。同氏によると、同容疑者は事件のことをほとんど覚えていないと話しているという。事件があった夜について「早い時間帯と遅い時間帯の記憶はある。だが、その間(事件が起きた時間帯)の記憶が彼にはない」と、ブラウン氏は語った。

 また、ベールズ容疑者は事件時に酒に酔っていたとの報道を否定し、「ちょっと酒をすすった程度で、酔うほどの飲酒はしていない」と話していたという。

■「心身衰弱」を主張か

 ブラウン氏によれば、ベールズ容疑者は精神的なショック状態にある。「彼は現地に残された部隊のことや自分が問われる罪、友人や同僚たちに及ぼす悪影響などを、かなり気にしていた」(ブラウン氏)

 また、事件に対する報復行為が発生することを懸念していたという。

 ブラウン氏は、法廷でベールズ容疑者の心神喪失を主張する考えはないが、神経が衰弱していたとの理由で「心神耗弱」を主張する可能性はあると説明した。

 同氏は前週、ベールズ容疑者は事件前、仲間の兵士が地雷を踏んで重傷を負うところを目撃したことでストレスが悪化していたと語っていた。

 一方、AFPの取材に応じた米軍幹部は、銃乱射事件における殺人に関連したベールズ容疑者の訴追が、アフガニスタン駐留米軍から「数日以内」に発表される見通しだと語った。レオン・パネッタ(Leon Panetta)米国防長官によると、ベールズ容疑者の有罪が確定した場合、最高で死刑が言い渡される可能性がある。(c)AFP/Joe Lamb

【関連記事】アフガニスタン銃乱射の米兵、身元判明