【2月24日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は23日、アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領に書簡を送り、アフガニスタンの首都カブール(Kabul)北方にあるバグラム米空軍基地(Bagram Airbase)でイスラム教の聖典コーランが焼却されたことについて謝罪した。

 アフガニスタン政府によるとオバマ大統領は、米国のライアン・クロッカー(Ryan Crocker)駐アフガニスタン大使がカルザイ大統領に届けた書簡の中で、カルザイ大統領とアフガニスタン国民に「深い遺憾の意」を示すとともに焼却は意図的なものではなかったと釈明し、関係者の責任追及などの再発防止策を取ると述べた。

 この件についてアフガニスタン各地で激しい抗議行動が相次ぎ、フランス、ノルウェー、米国の軍事基地がデモ隊に襲われた。東部のナンガハル(Nangarhar)州にある軍の基地で米兵2人がアフガニスタン兵に殺害されるなど、発覚してからの3日間で各国の兵士や民間人に14人の死者が出た。アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は、外国の兵士を殺害するよう国民に呼びかけた。

 アフガニスタンは非常に宗教的な国で、これまでにもイスラム教が少しでも冒瀆(ぼうとく)されたと受け止められると、暴力的な激しい抗議が起きてきた。米大使館は、金曜日の礼拝が行われる24日は、抗議行動の中で欧米人が狙われる恐れがあるとして、アフガニスタン国内の米国人に不要不急の外出を避けるよう呼びかけている。(c)AFP/Usman Sharifi