【1月30日 AFP】シリアの首都ダマスカス(Damascus)近郊で29日、反体制派と政府軍との激しい衝突が発生した。英国に本部を置く「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPの取材に、前年3月半ばに反体制運動が始まって以降、最大の衝突だと述べた。

 シリア人権監視団によると、シリア全土の死者数は同日だけで少なくとも80人に達し、うち半数が民間人という。27日からの死者数は計175人に上っている。

 活動家らによると、政府軍はダマスカス郊外のドゥーマ(Douma)やサアバ(Saaba)、イルビン(Irbin)、ハムリヤ(Hamuriyeh)の各地区に対し、重火器や迫撃砲で攻撃。反体制派と激しい白兵戦になり、こう着状態になっている。反体制派は、政府軍からの新たな離反兵によって士気が上がっているという。

 また、離反兵士らで作る反体制派の「自由シリア軍(Free Syrian Army)」は、政府軍から新たに50人以上の将校や兵士が離反したと発表。首都に向け進軍中、ダマスカスの8キロ郊外で政府軍と戦闘になったと述べた。同軍によると、シリア政府側はダマスカス周辺の村や中部ハマ(Hama)に対し「重火器を用いた空前の攻勢を24時間にわたって続けている」という。

 アラブ連盟(Arab League)が監視団を撤退させたことを受けて、反体制側は、国連(UN)の行動を求める声を強めている。(c)AFP