【1月4日 AFP】リビアの首都トリポリ(Tripoli)市内で3日、反カダフィ派だった民兵同士の戦闘が起き、白昼の銃撃戦で4人が死亡した。

 衝突したのはトリポリ中心部を拠点とする民兵組織と、反カダフィ派の西部の拠点だったミスラタ(Misrata)出身の民兵組織。

 目撃者証言や現場のAFP記者によると、カダフィ前政権の情報機関本部に近いザウィヤ(Zawiyah)通りとサイディ(Saidi)通りの間で、数百人の民兵が地対空砲や機関銃を撃ち合った。ミスラタの民兵らが、トリポリの民兵に拘束された仲間の解放を要求したことがきっかけという。

 トリポリ市内では現在も、反カダフィ派として戦った民兵が部隊として集団で残っている姿が目に付く。トリポリ以外から集まり、故郷への帰還を拒んで居着いている民兵も多く、中には前政権の庁舎を拠点として制圧しているグループもある。

 正式な治安部隊の存在が空白の中、これら民兵によって一見、治安が保たれている面もあるが、民兵同士の衝突も少なくない。カダフィ政権崩壊から時間が経つにつれ、トリポリに残る民兵たちは新たな懸念を引き起こしつつある。

 こうした中、暫定統治する国民評議会(NTC)は3日、新生国軍トップの参謀長にミスラタ出身の元将官ユセフ・マングーシュ(Yussef al-Mangush)氏を任命した。民兵らを統制下に置き、治安部隊に統合させることが責務のひとつになるとみられる。(c)AFP/Jay Deshmukh