【1月4日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は3日、米国との和平交渉に向けた一歩として、国外に事務所を設ける「暫定合意」に達したと発表した。場所はカタールになる見込みだという。

 タリバンのものとされるウェブサイト「ボイス・オブ・ジハード(Voice of Jihad)」には、場所は特定していないがアフガニスタン国外に事務所を設置するため「カタールを含む関係各国と交渉した」との声明が掲載されている。

 米国がタリバンに対する戦争を始めてから10年以上がたつが、タリバンはこれまで同国に海外部隊が駐屯するかぎり交渉に応じないと主張してきた。同勢力が、和平交渉に応じる可能性を公的に示唆したのは今回が初めてだ。

 タリバンは要求の1つに、グアンタナモ(Guantanamo)米軍基地に収容されているタリバンのメンバーを含む捕虜の交換をあげている。

 発表でタリバンは「(アフガニスタン)国内で強固な支配体制は維持しながらも、国外の事務所で交渉する準備ができた」とし、設置場所については「カタールを含む関係各国と暫定合意に達した」としている。

 だがアフガニスタンでは同日の3日、同国南部のカンダハル(Kandahar)で3件の爆発が起き、現地警官によると少なくとも12人が死亡、28人が負傷した。タリバンは1件目の爆発についての関与を発表しており、米政府は同勢力が武力を放棄しない限り、アフガニスタンでの和平交渉は実現しないとしている。

 ジェイ・カーニー(Jay Carney)大統領報道官は「アフガニスタン主導の和平交渉への歩みは歓迎する」としながらも、交渉に向けたこれまでの条件に変化はないと語った。(c)AFP