【1月1日 AFP】反体制派への武力弾圧の停止を目指す和平案の実施状況を監視するため、前週からアラブ連盟(Arab League)の監視団が活動を始めたシリアでは、監視団に窮状を訴えようとする市民のデモが各地で行われた。

 12月30日には首都ダマスカス(Damascus)郊外ドゥマ(Duma)や北西部イドリブ(Idlib)などで数万人が参加する大規模な反体制デモがあった。

 英国に拠点を置くシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、ドゥマのデモには反体制デモが始まった2011年3月以来最大の6万~7万人が参加した。

 同団体は治安部隊がデモ隊にくぎ爆弾を使用し、これによって少なくとも24人のデモ参加者が負傷したとしているが、この情報は別の情報源による確認は取れていない。シリア人権監視団は、治安部隊はドゥマで催涙ガスやスタングレネード(殺傷を目的としない手りゅう弾)も使用したとしている。

 この日は治安部隊がデモ隊に発砲して少なくとも23人が死亡したほか、民間人2人と軍を離れて市民側についた2人が政府軍の待ち伏せを受けて死亡した。

 シリア人権監視団によると、監視団は29日にドゥマを、30日にはイドリブ、ハマ(Hama)、ダルアー(Daraa)、ホムス(Homs)近郊のババアムロ(Baba Amro)を訪問した。現在約66人の監視団員がシリア国内で活動しており、今後150~200人に増員する予定だという。

 一方、監視団長をスーダンの軍情報機関のモハメド・アハメド・ムスタファ・ダビ(Mohammed Ahmed Mustafa al-Dabi )将軍が務めることに不満を示す向きも少なくなく、論議を呼んでいる。(c)AFP