【10月11日 AFP】国王の結婚式を控えたブータンで11日、反政府組織「ブータン統一革命戦線(United Revolutionary Front of BhutanURFB)」が前日の10日に起きた爆発事件の犯行声明を出した。

 爆発は10日夜、インド国境沿いのプンツォリン(Phuentsholing)で発生し、ブータンの警察当局によるとインド国籍の4人が負傷した。ネパールを拠点とする反政府組織URFBは、国王が「ブータンの人々の国民総苦痛(gross national sufferings)」に関心を持つよう、小規模の爆発を起こしたと述べた。

 URFBの存在が浮上したのは4年前。民族的、政治的な迫害を受けたとして1990年代初頭にブータンを逃れてきたネパール系住民数万人が暮らすネパール東部の難民キャンプで結成された。URFBはブータン初の総選挙を前にした2008年1月にブータン南部で発生した連続爆発についても犯行声明を出していた。

■前国王が導入した政策を批判

 ブータンのジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク(Jigme Khesar Namgyel Wangchuck)国王(31)と学生のジェツン・ペマ(Jetsun Pema)さんの結婚式は13日に始まる。

 URFBは、国王の結婚を祝福する一方で、「暴力的な手段に訴えることをわれわれに強いた」前国王の政策から現国王が距離を置くことを望むと述べ、「われわれの今後の活動を決めるボールはいま、国王陛下側のコート内にある」と述べた。

 URFBなど複数のグループは、ブータンで導入された民族衣装の義務化やネパール語の禁止などの政策の責任が、2006年に現国王に譲位した前国王にあると批判。一連の政策導入で、ネパール系住民は国外避難を余儀なくされたと述べている。

 一方、ブータン政府は、難民たちは不法移民だったと述べている。

 難民キャンプでは、他にもブータン共産党(Bhutan Communist Party)やブータンの虎(Bhutan Tiger Force)などの武装組織が結成されている。(c)AFP

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