【6月28日 AFP】国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)は27日、リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐、同氏の次男セイフイスラム(Seif al-Islam)氏、情報機関トップのアブドラ・サヌーシ(Abdullah al-Senussi)氏の3人に対し、戦争犯罪と人道に対する罪の容疑で逮捕状を発行した。

 ICCは、3人は特に首都トリポリ(Tripoli)、ベンガジ(Benghazi)、ミスラタ(Misrata)で多数の市民が殺害された反体制派の武力弾圧を指揮していたと説明した。

 逮捕状は、ICCのルイス・モレノオカンポ(Luis Moreno-Ocampo)主任検察官が5月に請求していた。

 同日は、北大西洋条約機構(NATO)によるリビア軍事作戦の100日目に当たる。逮捕状の発行について、米政府は「カダフィ氏がすべての正統性を失っていることのもう1つの証しだ」と歓迎し、英政府も「リビアの閣僚たちはカダフィ氏を見捨てるべきだ」と呼び掛けた。

 現職の国家首脳にICCが逮捕状を発行するのは、ダルフール問題をめぐる戦争犯罪や人道に対する罪などで2009年3月に逮捕状が発行されたスーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領に続いて2人目。なお、バシル大統領への逮捕状は執行されておらず、同大統領は27日、ICCローマ規程に署名していない中国を訪問する予定だ。(c)AFP/Jan Hennop

【関連記事】
カダフィ大佐ら3人の逮捕状請求、国際刑事裁判所検事局
カダフィ大佐、組織的レイプ指示か 性的不能治療薬支給も