【5月6日 AFP】リビア情勢をめぐる対応を協議する欧米やアラブ諸国の「連絡調整グループ(International Contact Group)」は5日、イタリア・ローマ(Rome)で外相級会合を開き、リビア反体制派を支援する基金を設立することで合意した。

 これに対しリビア政府は、欧米が凍結したリビア最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の資産を基金に利用するとの計画について、「海賊行為」だと強く非難している。

 リビアではカダフィ大佐の政府軍と反体制派の戦闘が続いているが、同国からの原油輸出が事実上停止していることから、反体制勢力で作る「国民評議会」の資金源は尽きている状況だ。

 このため基金では、反体制派への初期支援として国際的に資金援助を募るほか、将来的には推定600億ドル(約4兆8000億円)に上るカダフィ氏の凍結資産を活用する計画だ。すでに産油国クウェートとカタールは、巨額資金の拠出を言明している。

 これに対し、カダフィ政権側は6日、凍結資産を反体制側の支援資金に使うという点に強く反発。ハレド・カイム(Khaled Kaim)外務次官は、首都トリポリ(Tripoli)で記者会見し、「国際法の観点では、リビアは現在も1つの主権国家だ。いかなる理由であれ、その凍結資産を勝手に使用することは、荒海で海賊行為を働くようなものだ」と述べ、「連絡調整グループ」の決定を糾弾した。(c)AFP