【5月3日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と政権中枢メンバーは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者を殺害した軍事作戦を、米ホワイトハウス(White House)からリアルタイムで見守っていた。ジョン・ブレナン(John Brennan)大統領補佐官(テロ対策担当)が2日、その状況を語った。

 ホワイトハウスのシチュエーションルーム(緊急対応室)には1日、オバマ大統領が招集した政権中枢のメンバーたちが集まり、パキスタンのアボタバード(Abbottabad)で行われた米海軍特殊部隊SEALsの40分に及ぶ軍事作戦を見守った。

 ブレナン大統領補佐官は、「集まった人たちにとっても、人生で最大級に不安な瞬間だっただろう。数分がまるで数日のように過ぎた」と述べ、「大統領は、特に米兵の安全を心配していた」と語った。

 作戦状況をリアルタイムに監視した方法については、ビデオカメラや写真などいくつかの臆測が報じられているが、ブレナン氏は明確な返答を避けた。銃声も聞こえたのか、と度々質問されたブレナン補佐官は、「われわれは、リアルタイムに状況を監視することができた」とだけ説明した。

 集まっていた関係者らが作戦中で最も不安を感じたのは、SEALsを運ぶヘリコプターのうち1機がビンラディン容疑者の潜伏する施設内で技術的問題を起こしたときだったという。「ヘリコプターが突然、動かなくなった。そこで即座にプランBに変える必要があった。だが彼らは完璧にやってのけた」

 施設内にビンラディン容疑者がいることが確認されたときも、非常に重要な瞬間だった、と別の米政府高官は語った。また、ビンラディン容疑者の殺害が確認された後、オバマ大統領は、米軍のヘリコプターが基地に帰還したらただちに知らせてほしいと求めたという。

 また、ブレナン補佐官は、ヘリコプターがパキスタンの空域を離脱するまで、米政府は、この軍事作戦についてパキスタン政府に伝えていなかったことを明かした。パキスタン政府が軍を出動させて作戦を妨害するおそれがあったためと、ブレナン氏は説明した。(c)AFP/Stephen Collinson