【3月20日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)が17日にリビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の政府軍に対する空爆を容認する決議案を採択したことを受けて米国、英国、フランスは現地時間19日午後(日本時間20日未明)、巡航ミサイルや軍用機でリビアへの攻撃を開始した。

 米軍高官によると、米国と英国は19日、110発以上のトマホークミサイルをリビアの約20か所の防空拠点に向けて発射した。

 現地にいるAFPの記者によると、20日未明、カダフィ大佐の住居があるトリポリ(Tripoli)のバーブ・アジジヤ(Bab al-Aziziyah)地区の近くに爆弾が投下された。これに先立ちリビアの国営メディアは数百人がバーブ・アジジヤとトリポリの国際空港に「人間の盾」になろうと集まっていると報じていた。

 リビア当局者はAFPに、グリニッジ標準時19日午後4時45分(日本時間20日午前1時45分)にフランスの軍用機1機がカダフィ派の軍用車両を狙って開始した空爆で少なくとも48人が死亡したと語った。

 リビアの国営メディアは、欧米諸国の軍用機がトリポリの民間の目標を攻撃し、死傷者が出ていると伝えている。またリビア軍の報道官は、反政府勢力の勢力下にあるリビア第3の都市ミスラタ(Misrata)向けの燃料が入っていた燃料タンクが攻撃されたと発表した。

 カダフィ大佐は音声による短いメッセージを国営テレビを通じて発表し、「野蛮で、十字軍の兵士たちによる正当化できない侵略」だとして欧米諸国による攻撃を激しく非難するとともに、「地中海はもはや戦場になった」と述べ、地中海にある欧米諸国の目標に報復攻撃を行うと述べた。(c)AFP/Imed Lamloum