【3月11日 AFP】リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の次男、セイフイスラム・カダフィ(Seif al-Islam Kadhafi)氏は10日、反体制派との戦いについて、勝利は目の前だと語った。西側諸国が内戦の対処に苦慮する一方、カダフィ政権部隊は主要2都市を奪還した。

 リビア上空の飛行禁止空域の設定を求める声が高まる中、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)はそれぞれ48時間にわたる協議を開始した。フランスが攻撃箇所を限定した空爆やリビア周辺海域への軍艦配備の増強を支持しているとの報道もある。

 カダフィ氏は首都トリポリ(Tripoli)で政権派の若者に対し、「もうすぐだ」と述べ、反体制派が掌握する東部ベンガジ(Benghazi)での政権軍の優位性に触れた。

 カダフィ氏は熱狂する若者たちに向かって、「毎日支援や救助を求めてくる東部の同胞や友人に告ぐ。もうすぐだ」と呼び掛け、「勝利は目の前だ。勝利は近い」「神に誓う。われわれは勝つ」と宣言した。

 これより先、英衛星放送テレビ・スカイニューズ(Sky News)と英BBCテレビのインタビューでカダフィ氏は、政権側は反体制派に「決して降伏しない」とし、外国の介入も恐れないと語った。

■政権部隊、ラスラヌフとザウィヤを奪還

 米当局者らは、勝機はロシア製の武器で強固に武装するカダフィ政権部隊に向きつつあり、反体制派を倒す可能性が高いとの見方を示している。

 反体制派は4日に東部沿岸部の戦略的石油都市ラスラヌフ(Ras Lanuf)を掌握していたが、ロケット弾による攻撃を受け、脱出した。

 東部石油拠点ブレガ(Brega)の病院関係者によると、病院で4人が死亡、35人の負傷者が治療を受けている。さらに、ラスラヌフから続々と負傷者が運ばれてくるという。

 医療関係者らによると、リビア東部での2月17日以降の死者数は400人、負傷者数は2000人以上に上るという。

 また、西部ザウィヤ(Zawiyah)をめぐる激しい攻防戦は9日夜、カダフィ政権部隊の勝利に終わった。(c)AFP/Imed Lamloum