【2月22日 AFP】リビアの反体制デモは21日、首都トリポリ(Tripoli)にも波及し、デモ隊と治安部隊の衝突で多数の死者が出たもようだ。

 トリポリのデモ隊は、警察署と国営テレビ局を襲撃し、政府庁舎に放火。市内に銃声が鳴り響いた。トリポリの住民らはAFPカイロ(Cairo)支局の電話取材に対し、「タジュラ(Tajura)地区で大虐殺があった」「武装した男たちが市民に無差別に発砲した」などと語った。着陸したヘリコプターから降りてきたアフリカ人傭兵による銃撃で多数の死者が出たとの目撃情報もある。

 なお、国際人権連盟(International Federation for Human Rights)は同日、リビア第2の都市ベンガジ(Benghazi)のほか、シルト(Sirte)、トブルク(Tobruk)、ミスラタ(Misrata)、フムス(Khoms)、タルフナ(Tarhounah)、ゼンテン(Zenten)、ザウィーヤ(Al-Zawiya)、ズアラ(Zouara)をデモ隊が掌握したと発表した。

 同連盟によると、デモ隊と治安部隊の衝突による死者は21日までに最大400人に達した。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)は20日、死者を233人と発表していた。

■カダフィ大佐亡命の情報

 一方、ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相は21日、リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が南米ベネズエラに向かった可能性があると述べたが、ベネズエラ側はこれをただちに否定した。

 なお、マルタの軍および政府高官はAFPに対し、リビア軍の大佐2人が自らF1戦闘機を操縦して亡命してきたことを明らかにした。亡命の動機について、ベンガジのデモ隊を攻撃するよう命じられたためと話しているという。(c)AFP


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