【2月11日 AFP】エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領は10日、国営テレビで演説し、オマル・スレイマン(Omar Suleiman)副大統領に権限を委譲するとし、憲法改正について提案した。ただし即時辞任の意思は示さなかった。

 大統領の辞任を求める大規模デモが17日目に突入した首都カイロ(Cairo)のタハリール広場(Tahrir Square)では、大統領の演説を受け、集まった20万人を超えるデモ隊が「ムバラクは辞任しろ」と怒りの叫び声をあげた。

 演説の数時間前、軍指導者が国の治安を保障し国民の「正当な」要求が満たされるよう介入すると発表したことから、国民の間でムバラク大統領の即時辞任に対する期待が高まっていた。

 大統領はスレイマン副大統領に権限を委譲するとした一方で、9月の大統領選までの権力移譲過程は大統領職にとどまるとし、「わたしはエジプトの地で死ぬ」と述べた。

 大統領は「わたしは決して外国からの絶対的命令には従わない」と語り、民主化移行を加速するよう促してきた米国などの国々を批判した。さらに、「わたしは常にエジプトの平和を維持し、エジプトとその安定のために尽力してきた」と付け加えた。(c)AFP/Sara Hussein

【写真】エジプトの反政府デモ隊、ムバラク大統領の演説に落胆と怒り