【1月31日 AFP】中国の検閲当局が、エジプトでの反政府デモの報道を規制し、インターネットでの議論へのアクセスを遮断している。エジプトのデモが中国国内の改革を求める声に火をつけかけないと当局者らが懸念しているとみられる。

 マイクロブログサイトで31日に抗議デモについての検索を行ったところ結果はゼロ件だった。また、大手ポータルサイトの議論ページでは、エジプトについての報道について議論するページが利用できなくなった。

 ほぼ30年にわたりエジプトを統治してきたホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の退陣を求める抗議デモについての報道は、中国国内ではほとんどなく、報道される内容も、背景の政治的要素や民主化を求める声などといった側面は伝えられていない。

 中国の主要紙もエジプトからの写真をほとんど掲載していない。また、31日の国営テレビニュース番組は抗議デモの映像を放映せず、ムバラク大統領が政府高官らと会談する場面を映した。

 中国では、同国の共産党支配の正統性を脅かすとみなされた内容に対する検閲は活発に行われている。(c)AFP/Dan Martin