【1月30日 AFP】ロシアの捜査当局は29日、モスクワ(Moscow)郊外にあるドモジェドボ国際空港(Domodedovo International Airport)で24日に起きた自爆攻撃は、国際線ロビーに到着する外国人を狙った同国南部・北カフカス地方出身の20歳の男の犯行だったと発表した。

 ロシア連邦捜査委員会のウラジーミル・マルキン(Vladimir Markin)報道官によると、現在も犯行を計画・組織した人物などについて捜査中のため、実行した男の氏名や北カフカス地方のどの共和国の出身であるかなどは伏せている。

 ロシアで利用客が最も多い空港であるドモジェドボ国際空港で起きた今回の事件は、2014年冬季五輪、2018年サッカーW杯の招致を控え、外国人観光客に近代的で新しいロシアの顔を披露しようと準備を進める政府の自信を揺るがせた。

 当局は、欧州から数便の旅客機が到着した後に爆発が起こったのは、外国人を狙っていたからだとみている。マルキン報道官は「国際線の到着ロビーでテロ行為が起きたのは偶然ではない。犯行は何よりも外国人を狙ったものだった」と説明した。

 2010年3月の地下鉄自爆攻撃から1年も経たないうちに再びモスクワで起きた今回の自爆攻撃で35人が犠牲になり、うち外国人はオーストリア人2人、ドイツ人1人、英国人1人など8人だった。

■詳しい公式情報なく、憶測が交錯

 当局が詳しい情報を公開していないことから、実行した人物や動機などについて非公式な情報や時に矛盾する情報が出回っている。

 警察筋は、北カフカスのスタブロポリ(Stavropol)地方の武装グループに属するロシア系メンバーで、昨年から姿を消しているVitaly Razdobudko容疑者を首謀格とみなしていることを明らかにした。この発表以来、ロシアの大手各紙は同容疑者の顔写真を詳細な経歴とともに掲載している。

 また大みそかの前月31日にモスクワ郊外のホテルで爆発が起き、女性1人が死亡した事件とドモジェドボ国際空港での爆発に関係があるとの見方を伝える報道もある。

 この大みそかの事件に関連し、同容疑者を入れて計5人が指名手配されていることを捜査委員会は認めているが、24日のドモジェドボ国際空港の事件とは無関係だと断言した。(c)AFP/Dmitry Zaks