【10月15日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の兵士の夫に耳と鼻をそぎ落とされ、回復手術を受けるために米国を訪問中の女性がこのほど、人工の鼻を装着して初めて公の場に姿を現した。

 この女性は、アフガニスタン人のビビ・アイシャ(Bibi Ayesha)さん(19)。12歳でタリバンの兵士と結婚したが数年にわたって虐待され、逃走を試みたものの失敗。捕らえられた後、夫の兄弟に押さえつけられながら、夫に耳と鼻を切り落とされた。

 アイシャさんは数か月前、耳と鼻の回復手術を受けるために18歳で渡米した。

 傷ついたアイシャさんの写真は、米誌タイム(Time)8月9日号の表紙に、「もしも、われわれがアフガニスタンを去ったら、何が起きるか」というタイトルとともに掲載された。これに対しては、アイシャさんを政治的に利用しているのではないかという批判が上がり、物議を醸した。

 今週、アイシャさんを招いたグロスマン・バーン基金(Grossman Burn Foundation)が米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)で開催したイベントに、アイシャさんは人工の鼻を装着して登場。マリア・シュライバー(Maria Shriver)同州知事夫人から賞を贈られたほか、ローラ・ブッシュ(Laura Bush)前大統領夫人とも会見した。

 今後はカリフォルニアのホストファミリーの元に滞在し、数か月かけて本格的な回復手術に臨む。(c)AFP