【10月3日 AFP】米国務省は欧州へ旅行する米国民に対し、テロへの注意をよびかける渡航情報を出すことを検討している。

 国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の攻撃が迫っているとする情報に基づき、国務省は欧州への渡航について、「トラベル・ウォーニング(渡航警告)」よりも危険レベルが一段階低い「トラベル・アラート(渡航注意)」を発令することを検討していると、同省高官がAFPに明かした。

 この高官は「旅行を続けてもよいが、注意が必要だということだ」と述べ、3日にも発令される可能性があると語ったが、詳しい理由は明かさなかった。

 別の米政府高官もAFPに、「わが国や同盟国、わが国の利益に対するアルカイダの攻撃情報を注視してきた。テロリストの計画を阻止するためあらゆる努力を尽くし、適切な措置をとる」と語った。

 9月28日、欧米の情報当局が英国、米国、ドイツ、フランスでアルカイダが攻撃を実施する計画をつきとめたと報道された。当局の情報によると、2年前にインドで起きたムンバイ同時襲撃事件と同様の手口で、武装グループが欧米人を人質にとって殺害する計画だったと言う。ムンバイの事件では、鉄道の駅と高級ホテル2軒が10人の武装グループによって占拠され、116人が死亡、300人以上が負傷した。

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 一方、欧米各国の情報筋や外交筋は、テロ情報に関する報道について確認することを拒んでいる。ある米高官は9月29日、個人として報道内容を認めたものの「現時点の脅威(に関する情報)に信頼性はあるが、具体的ではない」とし、攻撃の時期や場所については明確ではないことを示唆した。

 現在、米国務省は、英連邦に属する国・地域の選手が参加するスポーツ大会、「コモンウェルスゲーム」(英連邦競技大会)が10月3~14日にニューデリー(New Delhi)で開催されるインドについて11月15日まで渡航注意を出しているほか、アフガニスタン、イラク、イラン、イスラエル、レバノン、コンゴ民主共和国、スーダン、ソマリアなどについて31の渡航警告を出している。(c)AFP

【参考】米国務省の国際渡航情報ページ(英語)